天かす日記

天かすの日々。ゆっくり生きていく。

NHKドラマ「お母さん、娘をやめていいですか?」の1話を見た話

あけましておめでとうございます、天かすです。

早速ですが、1/13からNHKで始まったドラマ「お母さん、娘をやめていいですか?」を見てHPがガリガリ削られました。

www.nhk.or.jp

あらすじについては長くなるので公式サイトで読めば良いと思います。
ざっくり言えば、親の顔色を伺うようになってしまった娘がその呪縛から抜け出す話。
言ってしまえば「毒親」ものですね。

毒親っていう言葉、最近かなり広まってきてる気がします。気のせいかもしれないけど。

虐待だけじゃなく、暴言だったり過保護もしくは過干渉、そういうのを全部含めて子供に悪影響を与える親が毒親です。
毒親とは何かという定義は荒れるのでこの辺で。

まあ、毒親でもそうでなくても、母娘関係って難しいですよね。母は娘に自分を投影しがちだし、娘はそんな母親を息苦しく思う。なかなか人間関係ってままならないものです。



さて、私自身、毒親育ちだという自覚があります。今は親の顔色を窺ったりせず、ちゃんと幸せに生きていますが、昔は悩むこともありました。そんな私が今回「お母さん、娘をやめていいですか」を見て思ったのは、「やたらリアルだな!?ということ。

そこで、このドラマの個人的リアルポイントを書いてみようと思います。



注意.以下、ドラマの内容に触れています!



リアルポイント1.親の顔色を【無意識に】窺う娘

ドラマの中でも度々出てくるシーンですが、娘の美月は自分でも気付かないうちに母親の顔色を窺っています。
母親の顕子は気に入らないことがあると頬に手をあてるのが癖のようで、美月はそれをすごく敏感に察知しています。そして、先回りして母親の機嫌を保つわけです。
例えば、ソファーを選ぶとき。シャンデリアを選ぶとき。母親が口では「いいんじゃない?」と言っていても、美月には母親が気に入っていないことが分かる、だから先回りして母親の好きそうなものを選ぶ。

母親は娘のことが大好きで、娘も母親のことを親友のように思っている(と自分では思っている)のですが、少なくとも相手の顔色を常に窺っているような関係は健全な関係ではないですよね。
これから先、美月がどのようにして自分の気持ちと向き合っていくのかがこのドラマの見所なのかな、と思っています。


リアルポイント2.母の身代わりとして生きる娘

娘の美月は英語教師として働いています。
が、どうやらその英語教師という職業はもともとは母・顕子の夢だったようです。
美月自身が英語教師になりたくてなったのか、それとも母の想いを敏感に察知して、その夢を
叶える方向に動いたのか。それは1話を見ていた限りでは分かりませんでしたが…
こういう親子関係の怖い所は、自分の意思が何か、というのがあやふやになっていく所です。
この決断は、この選択は自分の意思によるのか、それとも親のためなのか?

ちなみに、ドラマの中で実際に「身代わり」という言葉が出てきていました。
顕子の友人が顕子・美月の母娘関係に言及した時のこと。「あなたたちって本当に恋人みたい…いえ、むしろ身代わりかもね」という台詞がありました。
この友人さん、やたら鋭いですね。母娘関係ってなかなか外からは見えにくいので、こういう風に外から問題点に気付ける人がいるのは良いことだなぁと思いました。


リアルポイント3.毒は連鎖する

このドラマの主なストーリーは母・顕子と娘・美月をめぐるものになると思うのですが、1話には顕子の母=美月の祖母も登場していました。(以下、紛らわしいので祖母とします)
祖母は施設に入所しているようですが、認知症がひどく家族を覚えていない、というわけではないようです。というのも、祖母は顕子と会話しており、その中で「あんたは娘と一緒に過ごすのに、私のことはほったらかしなんだね」「あんたは私を裏切った、もう私にはみっちゃん(=美月)だけが希望よ」というようなことを言っていました。

うーん、この見事な毒の連鎖。
顕子もおそらく祖母によって自分の教師という夢を諦めざるをえなくなった。
そしてその夢を美月に託し、祖母のことは捨てて美月とべったりな生活を送るわけです。
しかし美月にとってはそれが重荷になっているのでしょう。美月が毒から抜け出し、自分の人生を送れるようになるのかどうか、気がかりです。


リアルポイント4.【あなたのためを思って】は毒親の常套句

これは第一話の中に出てきた台詞ではないのですが。
次回予告の中で、顕子が「私はみっちゃんのためを思って…」と言う台詞が出てきていました。
毒親常套句ランキングの仲でも相当上位に入るこの言葉。
あなたのためだから、あなたを思っているから、あなたを愛しているから。
でも、こんな言葉が出てきている時点で、その愛は相手に伝わっていないし、やり方が間違っているということなんですよね。
「あなたのためを思って言ってるのよ!」みたいな台詞に美月がほだされないよう祈るばかりです。


リアルポイント5.ストレスはちゃんと体に現れる

これは個人的にすごく親近感を覚えた点なんですが、ドラマの中で美月は10円ハゲに悩んでいるんですよ。幸い外からちらっと見ただけでは分からない位置なんですが、それでも女性としては10円ハゲがあるなんて気になりますよね。
私も昔、母からのストレス+勉強などのストレスで10円ハゲができたことがありました。
まあ、放っておいたらいつの間にか治ってはいたんですが、10円ハゲを見つけた時の悲しい気持ちは今でも忘れられません。

ドラマの中で美月は(1話時点では)母のことを慕い、大切に思っているようなのですが、それでもきっと無意識に母からの干渉が重荷になっていて、それが10円ハゲという形で外に現れたんじゃないかなと、勝手にそう思いながら見ていました。




以上、個人歴リアルポイント5つでした。
どれも個人的な感想ですし、そもそも真面目にドラマに集中すると相当辛くなりそうで作業しながら見ていたので、見落とした内容やねつ造した内容があったらすみません。

ゆがんだ母娘関係が出てくる作品って最後は結局「でも母娘だから!家族だから!」という感じてなあなあに終わることもあって個人的にはもやもやしているのですが、この作品の母親は娘を着せ替え人形にしたり娘のデートをストーキングしたりと相当な毒親なので、娘はちゃんと母から決別して欲しいなあと思います。

たぶん金曜日の10時くらいからNHKでやるみたいなので、是非見てもらえればなと思いました。
別にステマとかじゃないんですが、毒親を抱える身としては結構リアルだったので、おすすめできそうです。

それでは。